8/3  祖母のお見舞い
 
母方の祖母は今年99歳になる。無論戦争経験者。
しかも樺太からの引き上げでかなりの辛酸をなめた人である。
その後も女手ひとつで母と叔母を育てた女丈夫。
それにしても明治生まれの女性はなぜみんなこんなに強いのだろう。
力があるというわけでない。精神的にとてつもなく強い。
様々な時代の過渡期に常に立ち会ってきた人たちのその精神力。
私たちは足元にも及ばない。
 
その祖母は引き上げてからも洗足、中目黒、浅草、相模原と転々とした挙句、身一つで
北海道に渡ってしまった。とことん独立心旺盛な人なのである。
その後もおでん屋を一人で切り盛りしていたのだが、大病を患って店を引き払い都内に帰ってくる。
やっと私の実家に落ち着いたのもつかの間、一人暮らしが気兼ねなくていいと、知人を介して
青梅のマンションに引っ越してしまった。
その何年か後、またしても自分で手配をして老人ホームに入ってしまった。
何もそんな遠くに行かなくっても。。。
そして今に至るわけなのだが、今年の夏前に骨粗しょう症で左腕が動かなくなり入院。
そうなると薄情なもので特別養護老人ホームでしか入所させてもらえないのだそうだ。
要するに今のホームは追い出されてしまうという。
急遽浅草の叔母のところで同居することになり、床をバリアフリーにしたりベット・
車椅子などをレンタルしたりの大騒ぎに。。。頭はしっかりしているだけに、自分自身歯がゆいらしい。
叔母の懸命の介助と祖母の不屈の努力でベッドに起き上がり、
自分で飲み食いできるまでに回復していたのだが、ここに来て喘息の発作が ひどくなってしまい

先月末ついに入院してしまった。
 
嚥下力がかなり低下しているとのことで
誤嚥によって肺に水がたまってしまうらしい
そうなるとひどく咳き込み心臓への負担が大きくなる
そのため、今は何も口にできない絶食状態である
あれほど食べることの好きな人なのに。。。
   
見舞いに行くと、思ったより元気ではあるが点滴のあとと鼻につけた吸入器が痛々しい。。。
これまでの人生のように必ずや病院から出てきて復活してくれることを願う今日この頃である。