8/23

「惑星」除外された冥王星 降格決まり脚光 教諭ら「興味持ついい機会」

 水金地火木土天海冥―太陽系第9の惑星だった「冥王星」が、惑星から除外されることが決まった。教科書にも載り、慣れ親しんできた惑星が減ることを寂しがる声も聞かれたが、「冥王星のことを初めて学んだ」と認識を新たにした人も。理科離れが進む中、学校教諭やプラネタリウム職員は「天体に興味を持ついいきっかけになる」と歓迎する声も出ている。

 「あんなに小さい星だったとは。認識を新たにしました」。木星がスイカなら、地球はブルーベリー、冥王星は米粒…25日朝、果実にたとえて例えて惑星の大きさを比較する朝のテレビニュースを見た福岡市立和白東小の今林康治教諭(43)は「今度、この手で子どもたちに太陽系のことを教えてみよう」と思ったという。

 退職金をつぎ込んで福岡県飯塚市に天文台「大将陣スタードーム」を建てた元高校教諭の山本隆弘さん(68)は「遠くて小さい冥王星だけは望遠鏡で見たことがない惑星だった。これまで注目されたことがなかったけど話題を提供してくれた」。

 同県久留米市の県青少年科学館は、太陽系惑星コーナーにある冥王星の展示については撤去せず、表示を「元惑星」に改める。同館天文教育チームの古賀龍二マネジャーは「冥王星がこれだけ注目されるのは最初で最後かも。子どもが宇宙に興味を持つきっかけになれば」と話した。

 同県宗像市の宗像ユリックスプラネタリウムでは25日から、星座解説員が今回の決定について紹介。太陽系の惑星が8個になったことの説明板も館内に設置する。「もっと知りたいと要望があれば何らかの企画も考えたい」と言う。プラネタリウムを訪れた中学2年の女生徒(14)は「今まで太陽系は冥王星を入れて覚えていたので不思議な感じ」と戸惑い気味に話していた。

=2006/08/25付 西日本新聞夕刊=
(西日本新聞) - 8月25日17時7分更新

太陽系惑星「8個」に縮小
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した冥王星(中央の最も大きい星)。国際天文学連合は太陽系惑星の定義案について、冥王星を惑星の地位から格下げする内容の修正案で最終調整に入った(NASA、ESAなど提供)(時事通信社)22時50分更新
 
プラネタリウムでの観望会
冥王星が惑星から除外されたことの説明を聞きながら、プラネタリウムに映し出された太陽系の惑星の映像を見る親子(25日夜、東京・葛飾区郷土と天文の博物館)(時事通信社)21時58分更新
 
冥王星など入れる新分類、「矮小惑星」?…和名検討へ

 冥王(めいおう)星を惑星から除外する国際天文学連合の決定で、太陽系の天体に新たな分類名がつけられたことを受け、日本学術会議は25日、新分類の和名を検討することを決めた。

 学術会議内に日本惑星科学会などの専門家らで作る委員会を作り、半年以内に和名をつけるという。

 新たにつけられた分類名は冥王星や小惑星セレスなどを指す「Dwarf Planet」、惑星と矮小(わいしょう)惑星いずれにも入らず、衛星でもない天体の総称「Small Solar System Bodies」など。

 それぞれ「矮小惑星」「太陽系小天体」と訳せるが、学術会議で、わかりやすく親しみやすい和名を検討するという。
(読売新聞) - 8月25日19時58分更新
 

Yahoo!ニュース

こちらから引用させていただいています