<大雨>神奈川、埼玉で停電 落雷で東急運休 新幹線乱れる
8月30日1時11分配信 毎日新聞



激しい雨が降る中、横断歩道を渡る人たち=東京都渋谷区で2008年8月29日午後10時26分、長谷川直亮撮影

 停滞した前線による雨は29日夜も断続的に降り、午後11時までの24時間に東京都府中市で144ミリの雨量を記録するなど東北から東海地方の広い範囲で荒れ模様となった。落雷により東急東横線と目黒線が全線で一時運転を見合わせ、神奈川、埼玉両県で計約1100世帯が停電した。

 東急電鉄によると、29日午後9時20分ごろ、東横線武蔵小杉駅(川崎市中原区)付近に落雷し、信号機が故障した。同線と目黒線の全線運休は約30分間続き、その後も部分運休が続いた。

 東海道新幹線は、雨のため午後9時前から約40分間、品川−小田原間の運転を見合わせた。ダイヤが乱れ、東京駅と新大阪駅に停車した最終列車を、乗り継ぎのできない客の寝泊まり用に開放した。それぞれ、30人、90人ほどの利用があった。

 消防庁によると、29日午後10時現在、住宅損壊は13棟、床上浸水は880棟、床下浸水は2746棟(いずれも28日以降の累計)。東京都八王子市は29日午後1時、13世帯に避難勧告を出した。【伊藤一郎、高橋昌紀】
 
 
集中豪雨 東海豪雨と似たメカニズム 湿った空気、2経路で流入
8月29日15時48分配信 産経新聞


 猛烈な雨を観測した愛知県岡崎市などの集中豪雨。気象庁によると、日本の南海上から2つのルートで流れ込んだ湿った空気が東海など東日本に集中。これに本州付近に停滞した前線の活動と、列島上空の寒気が加わり、大気の状態が極めて不安定になったのが原因とみられる。死者10人を出した平成12年9月の東海豪雨とよく似たメカニズムという。

 気象庁によると、雨脚の強まった28日から29日未明にかけて四国付近に低気圧が配置。一方、本州の南側には高気圧があり、南東から湿った空気が内陸部に向かって入り込んでいた。

 空気が時計回りに流れ出す高気圧と、反時計回りに流れ込む低気圧の境目で、2つの空気の流れが一致。ちょうど東海、関東地方に向けて南の海上から湿った空気が継続して流れ込む状況になった。このルートに沿って積乱雲が次々と生まれ、激しい雨が長時間続いたとみられる。

 こうした気圧配置は太平洋高気圧の張り出しが弱まる夏の終わりごろに生じやすく、今月上旬に各地で起きたゲリラ豪雨よりも、総雨量は多くなる。最近では東海豪雨のほか、平成10年8月下旬に起きた栃木、福島県の豪雨の例がある。

 また、太平洋高気圧の北への張り出しが弱いことから、28日は日本列島の上空約6000メートルに氷点下4、5度の寒気が入っていた。さらに29日には、この季節としては強い氷点下9度前後の寒気が流入する見込みで、北日本から西日本にかけての広い範囲で大気の状態が不安定になるため、各地で局地的に1時間に80ミリを超える激しい雨が降る恐れがある。
 
東海・関東で豪雨、2人死傷3人不明 ゲリラ雨、連日の夜襲
8月30日6時30分配信 産経新聞大手町から秋葉原方面で光る稲妻=29日午後10時50分、東京都千代田区


 活発な前線と低気圧の影響で、29日朝にかけて東海、関東地方は滝のような大雨に襲われた。地域によっては1時間に100ミリ超という恐怖感すら覚えるような雨量を記録。同日昼ごろに雨はいったん弱まったが、大気の状態は不安定で関東地方では局地的に雷雨が発生。29日夜には落雷による停電も発生した。30日も広い範囲で洪水や土砂崩れの危険性があり、厳重な警戒が必要だ。

 気象庁などによると、29日午前0時以降の1時間の雨量は、愛知県岡崎市で全国での観測史上7番目の大雨となる146・5ミリを記録。同市は一時、約14万世帯に避難勧告を出し、県を通じて自衛隊に災害派遣要請した。

 同市では河川が氾濫(はんらん)、無職、黒柳鈴江さん(76)が浸水した家屋の中から遺体で発見された。市内の伊賀川が増水し近くの民家の一部が流され、この家に住む女性(80)の行方が分からなくなったほか、散歩に出かけた79歳と73歳の男性2人が行方不明。同県一宮市では、店員、上野正明さん(58)が用水路に転落し、意識不明の重体となった。

 首都圏では、29日朝にかけての豪雨で東京都町田市が約150世帯に、神奈川県相模原市が約350世帯に避難勧告した。

 同日夜には落雷が原因とみられる停電も相次いだ。東京電力によると、同日午後8時27分ごろ、横浜市港北区で約100世帯が停電。このほか東京都世田谷区や埼玉県熊谷市、川崎市中原区など計約2500世帯で停電した。

 また、東海道新幹線は29日午後9時ごろ、横浜市港北区の雨量計が規制値に達したため、品川−小田原間の上下線で一時運転を取りやめた。
 

 
 

Yahoo!ニュース

こちらから引用させていただいています