“猛暑”特需続く ビアガーデンやプール 「夏の風物詩」期間延長相次ぐ
産経新聞 9月8日(水)7時58分配信


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9月だというのに屋上のビアガーデンは行列ができる人気=3日、東京都渋谷区、東急百貨店本店(写真:産経新聞)

 連日の猛暑続きで、統計を開始した明治31年以降、最も暑い夏となった今年。9月に入っても厳しい暑さは衰えを見せず、涼を求める声が途絶えない。そんなニーズに応え、ビアガーデンやプールなど「夏の風物詩」が次々と営業期間を延長している。(津川綾子)

 ◆夜7時でも33度

 9月3日、午後7時半。東急百貨店本店(東京都渋谷区)の屋上ビアガーデン「グリーンガーデン」前には冷えたビールを求め、空席待ちをする行列ができた。気温33度を示す温度計をのぞき込み、手嶋政直副店長(52)は「熱帯夜が予想される日は客が多い。こんな夜は冷たいビールがのどにしみるんです」。

 グリーンガーデンは9月5日までだった営業予定を26日まで延長した。「9月になっても気温が下がらず、暑い日が続くとの予報から判断した。来店客からは『暑いからもっと延ばせないか』という声まである」(手嶋副店長)。会社帰りに同僚と来た横浜市青葉区の前山信毅(のぶたけ)さん(59)は「うまい」と、うちわ片手にビールを飲み干した。

 厳しい残暑に「需要あり」と、各地のビアガーデンも続々と9月下旬までの営業を決めた。

 千里阪急ホテル(大阪府豊中市)の「プールサイドビアガーデン」は予定より2週間以上延長し、9月30日まで営業。昨年200席だった座席をシーズン初めに300席、さらに、猛暑続きの8月に500席にしたところ、来店客は昨年の2・5倍(8月末時点)に上った。同ホテル営業企画・広報の河端崇(たかし)さんは「暑さもあり、予想以上の反響。飲み放題のビールが喜ばれている。9月も来客を期待している」と声を弾ませる。

 日本橋高島屋(東京都中央区)も6日に終了予定だった屋上ビアガーデンの営業を今月21日まで延長した。

 ◆体を冷やしたい

 プールも開業期間を延ばしている。ホテルイースト21東京(江東区)は8月いっぱいの予定だった屋外プールの営業を9月10日まで延長。7、8月の利用者が前年比30%増と好調で、残暑の厳しい9月にもニーズがあると決めた。「9月のプールの期間延長は開業以来初めて」(同ホテル営業企画室)という。

 格安で利用できる市民プールでも期間延長。群馬県の前橋市民プールは12日まで、1週間延ばした。「学校が始まった9月1日も、平日なのに300人が利用した。気温がまだまだ高く、『プールの水で体を冷やしたい』という市民からの要望が強い」(堀内貴生(たかお)・前橋市教委スポーツ課主任)。岩手県花巻市でも市民プールを20日まで営業する。

 気象庁によると、9月前半も北海道を除き、全国的に30度を超える日が続くと予想されている。当分、秋の気配は訪れそうにないようだ。

 ■冷却グッズも売れ行き好調

 手軽に体を冷やすグッズは9月に入っても売れ行き好調だ。白元(東京都台東区)は、保冷枕タイプなどの「アイスノン」シリーズを8月中旬から増産。9月に入っても、前年同期比2倍以上の受注だ。「本来ならこの時期、店頭では奥に置かれるようになる商品が、今年は需要があるようだ」と同社広報室の宮本毅之(たかゆき)さん。

 東京の書店街にあるドラッグストア「セイジョー神田神保町店」(東京都千代田区)には、額に張る冷却シートや冷却枕など暑さ対策グッズのコーナーが、9月になっても店頭の一角にある。同店の安藤暢康(のぶやす)さんは「残暑が厳しく、9月に入っても昼休みの会社員が『首に巻くタイプの冷却グッズはありますか』とやって来る」と話す。

 通常、こうした冷却グッズはお盆を境に売れなくなる。しかし、今年は売れすぎて品薄状態となり、ピーク時に約15種類あったが9月に入り、店頭にはわずか6種類。安藤さんが「種類があれば、もっと売れる」と話すように、“猛暑特需”は続きそうだ。


50日ぶり、猛暑日ゼロ=都心熱帯夜記録も途切れる―気象庁
時事通信 9月8日(水)18時54分配信

 台風9号から変わった熱帯低気圧による大雨の影響で、日本列島は8日、これまでの記録的な猛暑はやや収まった。気象庁によると、最高気温35度以上の猛暑日を観測した地点は、7月15日以来約50日ぶりにゼロになった。
 また、東京都心の大手町では8日午後に最低気温が25度を下回った。そのため、連続記録を更新してきた都心の熱帯夜は、1日前の7日で途切れた。7日までの記録は、29日連続、今年55日目で、ともに1923年の観測開始以来の最多記録となった。 




台風9号 関東甲信や東海で大雨 上陸後、熱帯低気圧に
毎日新聞 9月8日(水)19時31分配信

  


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危険水位に達した富士道橋を心配そうに見つめる住民=神奈川県小田原市中曽根で2010年9月8日午後5時40分ごろ、澤晴夫撮影

 台風9号は8日午前に福井県敦賀市付近に上陸して東海地方を進み、午後3時に静岡県内で熱帯低気圧に変わった。東京都心では午後3時3分までの1時間降水量が観測史上10位の68.0ミリを観測するなど関東甲信、東海地方で大雨が降った。全国的にも悪天候となり、7月15日以来55日ぶりに猛暑日地点数はゼロとなった。豪雨の影響でJR東海道新幹線は一時、一部区間で上下線とも運転を見合わせた。

【写真特集】列島直撃 台風9号

 気象庁によると、1時間降水量が多かった主な地点は8日午後5時40分時点で、静岡市77.5ミリ▽神奈川県小田原市77.0ミリ▽同県山北町76.5ミリ−−など。小田原市は観測史上1位、静岡市は9月の1位を更新した。

 一方、この日の最高気温は宮崎市、三重県尾鷲市の34.6度で、猛暑日の地点はゼロ。東京都心は30.5度(前日比マイナス5.2度)で、午後3時37分に25度を割り込み、8月10日から続いていた熱帯夜(最低気温25度以上)の連続日数は29日で途切れた。

 JR東海によると、東海道新幹線は8日午後3時50分ごろ、新横浜−熱海間で雨量が規定値を超え、上下線とも運転を見合わせた。午後4時35分ごろからは、上りの新大阪−小田原間、下りの東京−小田原間でも運転を見合わせたが、午後5時25分ごろに上下線とも運転を再開。のぞみが上下線で計10本運休するなど約8万6000人に影響が出た。東京駅では新幹線の車両が宿泊用に開放された。【飯田和樹、山田奈緒】



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